2003年11月15日(土)〜11月21日(金)の7日間、米国アリゾナ州フェニックスにあるCivic Plaza Convention Centerにおいて、SC2003が開催されました。
この催しにバイオグリッド・プロジェクトも参加し、グリッド基盤技術の開発Core Grid、グリッド技術によるバイオデータベースの連携Data Grid、グリッド技術の生体シミュレーションへの応用Computing Grid、計算機資源の効率的利用HTC、高性能実験装置のスループット向上Telescienceの5つの研究開発テーマを柱として、その成果の展示発表を行いました。
開催期間中、当プロジェクトブースには多数の来場があり、活発な質疑応答や議論などさまざまな情報交換がなされました。プロジェクト設立2年目、SCへの出展は昨年に引き続き2度目となります。今回もプロジェクトの成果を広く公開し、外部の皆様の関心や評価を肌で感じる貴重な機会を得ることができました。
今後もこれらの技術を中核に、バイオや創薬などライフサイエンス分野に向けてグリッドコンピューティング技術の研究開発を進め、次世代のIT基盤の実現に結びつけていきます
Telescienceグループでは、SC2003でのBandwidth ChallengeにおいてMulti-Continental TelescienceチームとしてApplication Awardを受賞しました。

Core Grid グループ   【発表ポスター】
遠隔のデータを安全に利用するためのセキュアファイルシステムGSI-SFSとバイオインフォマティクスを対象としたグリッドポータルGUIDEを開発し、これらを使用して、中国とシンガポールに保存されている生物データを大阪大学の高性能コンピュータで高速かつ安全に解析できるシステムのデモンストレーションを実施しました。

Data Grid グループ   【発表ポスター】
Web上に散在する多数のデータベースを、分野ごとに異なる用語や表記を相互に関連付けるメタデータを設定することにより連携するデータグリッド技術を世界に先駆けて開発しました。SC2003では、核内受容体を中心にこれに関連する疾患、ゲノム、タンパク質、薬物など11個のデータベースを実際に連携したシステムでデモンストレーションを行いました。これは、Globus Toolkit 3/OGSA-DAIを利用した実用的な応用例としては世界初であり、大きな注目を集めました。

Computing Grid グループ   【発表ポスター】
BioPfuga(Biosimulation Platform United on Grid Architecture)
グリッド上の異機種コンピュータを統合した生体シミュレーション用プラットフォームであるBioPfugaを開発し、その一例として、スピンを含む量子系の計算を可能にするDFTの統合と、水チャネル膜タンパク質アクアポリンに対するQM/MMシミュレーションの適用を紹介しました。

HTC(High Throughput Computing)グループ  【発表ポスター】
タンパク質立体構造予測(フラグメントアセンブリ法・マルチカノニカルアンサンブルモンテカルロ法)のワークフローに基づき、グリッド上に分散した多数の計算機の中から遊休状態の計算機を探索してジョブを投入するシステム、および計算結果を表示するシステムを紹介しました。

Telescience グループ  【発表ポスター】
高性能な実験装置の遠隔利用の実現、出力データの解析速度の高速化、知識共有による実験精度の向上といった観点から、観測装置のスループットを高めることを目的にグリッド上で開発した超高圧電子顕微鏡(UHVEM)の遠隔操作システムとその画像解析のデモンストレーションを日本とアメリカを結んで行いました。
 


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