15000kmを超えて電子顕微鏡を使う (アムステルダム発)

大阪大学サイバーメディアセンター、超高圧電子顕微鏡センター、カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)、国家高速電脳中心(台湾)の共同研究チームは大阪大学のもつ世界最高圧の超高圧電子顕微鏡をインターネットを通じてサンディエゴから遠隔操作し、その観測映像をアムステルダム(オランダ)に転送する実験に成功した。同時に台湾のチームが観測された映像を大阪大学、サンディエゴ、台湾のコンピュータで共同で解析し、3次元化して表示している(図1)。これは日本、米国、欧州にまたがる次世代高速インターネットとサンディエゴのグループが開発したミドルウェアによって行われた。これにより、世界中どこにいても、貴重な観測装置からのデータを解析しながら、観測することができ、21世紀の科学の発展に大きく貢献することが期待されている。


図1:3次元化した結果の表示例(国家高速電脳中心提供)

 これは、23日から26日までアムステルダムで行われているiGrid2002の遠隔科学ポータル(telescience portal)のデモンストレーションとして行われた。
本実験のために今回始めて、日本(JGN,APAN)、米国(Internet2)、欧州(SURFnet)の高速インターネット研究網が共同し、IPv6による3大陸にまたがる巨大なネットワークを構成し、利用している(図2)。これは我々が進めているバイオグリッドプロジェクトの成果である.

図2:iGrid2002におけるネットワーク構成

iGridとは
 広域高速ネットワークとそれを利用するためのミドルウェア、アプリケーションがもたらす可能性を示すために1998年より2年ごとに行われている国際的なイベントである。今年は特に10Gbpsの高速ネットワークが拓く新しい科学へのチャレンジを示すさまざまなデモンストレーションが行われている。


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